kijifuのブログ

なんやかんやのアレ

手紙の返事


世の中は6月から学校や会社が再開されている。でも中には、それがもう本当に嫌な人たちがいる。たとえば学校や職場でいじめられていたり、居場所がなかったり。そんな人たちにとっては、不謹慎な言い方だとコロナがヒーローなわけで。結構本気で「このまま蔓延してあいつもあいつもいなくなればいい。学校も会社も潰れたらいい。」なんて思ってる人もきっといる。「だったら行かなきゃいい」「だったら辞めればいい」なんて考えはもっともですごく正しいんだけど、もうなかなかそんな風に考えられないし、ひとりで自分の部屋で考えることなんてロクでもないことばっかりで、結局はどこにいてもひとりぼっちなんだよね。



今年の6月、姉の三回忌がある。死んでから2年で三回忌なんて初めて知ったよ。今年はコロナじゃなんじゃでちょっと行けそうにないから、ありったけのビールを送るよ。



こないだ部屋を片付けていたら、姉からの手紙が出てきた。僕が結婚した時にもらった、最初で最後の姉からの手紙。普段は会う度にからかわれ、いじられていた姉からの手紙は、僕にびっくりするぐらい謝ってばかりの内容で。もらった時も読んだけど、今読み返したら全然違うなあって思った。あーあ、もっとあんたと話したかったよ。



姉が6歳で俺が2歳の頃、両親が離婚した。その時に姉は親父に「お前があいつ(僕)の母親になってやれ」って言われたらしい。姉からすれば「じゃあ私の母親は?」としか思えず、その一言はずっと姉を苦しめていた。僕もきっと姉も、別に母親なんかいらなかった。みんなで手を繋いで「さみしいね」って言えたらそれでよかった。


母親のことなんかまるっきり覚えていない僕と違い、中途半端に母親の記憶が残っている姉は、離婚した両親のどちらかを恨むことも出来なかった。親父からは僕の母親代わりになれと言われ、祖父母からはあんたがお姉ちゃんなんだからしっかりしろとずっと言われ続けて。なんだかんだあって母親と住むようになってからは、記憶の中での母親と現実との違いに苦しみながら、母親が求める娘になろうとしてさ。甘え方すら教えられなかった状況で、誰も恨めず、誰も愛せず、ただただずっとずっと自分を責めてたんだろうね。


それって、親が子どもに『甘える』ということを教えてこなかった結果なんだと思う。甘えること知らずに育って、自分を甘やかすことも、誰かに甘えることもできなくて、全部ぜーんぶ自分に溜まっていく。


そしてある日すべてをやめたくなって、向こう側にある光を求めて行ってしまう。残された人は、今さらどうしようもないのに、ありもしないたらればをずっと考える。



こころの病気って、生い立ちだったりいじめだったりとか、言ってしまえばほとんどがまわりのせいなのに、それをさらにまわりからヒソヒソ言われて、自分は悪くないのに、それでもひたすら自分で自分を追い込んでしまう。違うのに。あなたは悪くないのに。


ある日病院で病名を告げられて、ケガや風邪みたいに簡単には治らないからうまく付き合っていくしかなくて。ただでさえなんだかよく分からないのに、さらにまわりから『弱さ』だの『甘え』だの言われて。ネットでいろいろ調べたってロクなことなんか書いてなくて、変われなくて、悔しくて、苦しくて。それの繰り返しばっかりだったらそりゃもう疲れちゃうよね。



僕はずーっと自殺って、基本的には止めるべきじゃないと思っていた。止めた所で、その後のその人の人生を幸せにできるわけでもないし、責任も負えないやつが口出しするものでもないと思っていた。でも姉がそうなって、自分に子どもができると考えも変わってくる。やっぱり自分の子どもは別だねー。どうしても、そんな最期はなるべく選んで欲しくないって思ってしまう。


子育ては、子どもを死なせないようにすることだと思う。そして、いくつになっても親は親だし、子は子。どうあったって自分の子どもには、いつまでも命をあかるく輝かせててほしい。生きる意味は分からないけど、生きる価値はきっとあると思いたい。それはいつか気の合う人と出会うことかもしれないし、どこかで500円拾うことかもしれない。そういうひとつひとつが幸せに繋がっていくって信じたい。子どもの生きていく道を、悲しみで閉ざさせてしまいたくない。


でもそれも言ってしまえば親のわがままだっていう部分もあるわけで。結局は子どもがすべて選んで決めていくこと。親のできることなんてたかが知れてるんだよなー。だからこわいけど、心配だけど、やれることさえやったらあとは見とくだけにしとくよ。せめて不安になったり、辛くなった時にこっちを見たり、戻ってこれるようにしておくよ。だから、そんな時だけでいいからね。そのままいけそうなら、別に振り向かなくてもいいし。ただずっといるから。たぶん。できるだけ。



なんだか何が書きたかったのかよく分からなくなってきましたけども。

本当はね、姉へ手紙の返事を書こうかなーなんて思ったんですよ。でもいつの間にか自分の子どもへの手紙みたいになってる。笑

まあよく分かんないからこれでいいや。きっとこれが正解なんだよ。うん。

姉ちゃん、あんたが可愛がってくれてた姪っ子は今日、予防注射を泣き叫び、暴れながらもちゃんと受けてたよー。頑張ったご褒美にっつって、プリキュアの変身ステッキと、寿司を買わされたよー。だからビールの本数、ちょっと減らすね